時々監察という仕事が嫌になるときがあった。見たくもないのにその仕事のせいで人の裏面を見ることになるからだ。醜いし、そういうの気持ち悪いんだよ。なーんて、そんなこと土方さんに言ったら馬鹿にされるだけなのだけれど。馬鹿言ってんじゃねぇよお前今時仕事があるだけマシだと思え生意気言ってんじゃねぇクビにするぞコラァ、うん、こんな感じで。なんで一歩間違えばチンピラみたいなあの人がここで幹部なんて役割しょってるのかが不思議。街でカツアゲしてた方が絶対似合うと思うのに。あ、今の本人には絶対内緒でお願いしますよ、ばれると殺されるの僕なんですから。
「何百面相してんの山崎? 末期症状?」
「ぅわっ! 沖田さん!? 見てたんですか?」
急いで後ろを振り返ると、ニヤニヤ顔の沖田さんと視線がかちあった。うっわー、嫌な顔。
「悩み事かな? ほら、お姉さんに言ってみなさい。」
「何ですかそれ。てか貴女の方が年下でしょう。」
ありゃりゃ、細かい男は嫌われるんだよー? と彼女は特に気分を害したような風はなく、にっこり笑っている。うわ、今の顔可愛かったな。かと思えば急に真面目な雰囲気になった。あれ、シリアスちっく?
「実際山崎はよくやってると思うよ。」
「何の話ですか。」
「わかってるんでしょ?」
たはー、やっぱり貴女にはお見通しでしたか。
「あんま抱え込むなよ? お前のそれは、あたしが少し肩代わりしてやるから。」
そう言うなり沖田さんは廊下をバタバタと駆けて行ってしまった。あ、まだお礼も言ってないのに。でも、全く何でばれちゃうのかな。自分に表裏がないからかな? なんて呟いてはっとなる。そうだ、あの人表ばっかじゃん。僕が付き合いやすいわけだよ。
全くもって、今更なのだけれど。
***何かとりあえず締め切り忘れてて、ストック漁ったら新撰組パロが出てきたのでやっちまいました。ちなみにこれ六話目だよ☆***