龍一は脈を取った。龍一は首を横に振って「…死んでる」と言った。
大輔はしゃがみ込み、子供の方をじっと見つめていた。
すると家から人が出てきた。二十歳代くらいの、男だった。
「…ひひひひひひひ」と男は低い声で笑っていた。さっきの子供のように。
龍一と男は目が合うと、男は狂ったような目をして奇妙な動きで近づいてきた。龍一は身体じゅうに鳥肌が立ち、震えあがった。
「…大輔、に、逃げよう!」
龍一の声は震えていた。大輔は返事をしない。
「…大輔?大輔?……だ、い…」
龍一は大輔の身体を揺すると大輔はゴロリと人形のように倒れた。
そのとき、大輔の身体は仰向けになった。龍一は一瞬にして凍りついた。
「うああああアァあああァああ!」
大輔の頸動脈から血が溢れかえっている。
心臓の動きと共にドクッドクッと溢れてくる。
「…だい、いい…いつ?」
龍一は理解できなかった。いつ、大輔が頸動脈を切り、死んでいたのか。
さっきまで、生きていたのにも関わらず、さっきまで、一緒に話していたのにも関わらず。道路が大輔の血で染まって行く。
「あ、あ、あ!」
コ ロ サ レ ル
龍一の脳裏によぎった言葉。このままでは殺される、そう思った。
龍一は走り出した。屍となった大輔を置いたまま、逃げた。
走った。靴が脱げても、携帯を落としても走った。ただ、ただ、走った。
「殺されるのは嫌だ…死にたくない!死にたくない!」
無我夢中で走っていると、川に架けられている橋の上に居た。
息を整え、落ち着こうとした。
「ひひひひひ」男の笑い声が聞こえた。
「…っ!」
怯えきった龍一は勢いよく振り返った。
「逃げれなんかしないよ」
逃げてきたはずなのに、目の前に男が居た。片手には斧。すでに振り上げていた。
―――――龍一は目を閉じた。
ぐしゃ。
目を開くと景色が赤で染まっていた。
雪がちらついている。しかし、龍一には、赤にしか見えなかった。
あとがき
えと、どうも、南阜です。
まずはすみません。グロ系で。
これしか思いつかなかったんですよ。
すみませんでした。気分を害された方には申し訳ないと思ってます。
ここまで読んでくださって有り難う御座いました。
もう少し、実力と時間があれば、もっとまともな物も書ける(?)のに。