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ガタン、と音がした。
いつの間にか、寝てしまっていたらしい。
「懐かしい夢を見たものだな……」
今、見上げても上にあるのは何もない闇ばかりだが、あの頃の記憶は色褪せずに残っている。まるで光っているように見えた大桜。
結局、礼を言う機会を逃し、その夢の実現を見ることなくこうしているが――叶っただろうか。叶っていればいいと思う。俺がこうしているのも、桔梗に起こるであろう災厄を引き受けたのだというなら、不条理だと思ったこの状態も納得できる、気がする。
寝起きの霞がかった頭でそんな事を考えているうちに、ふと先程の音は何だったのだろうと気になった。まるで、戸が閉まったような――――。
「人間……?」
鬼火を指先に灯して戸の方へ向かうと、十七、八ほどの少女が倒れていた。
その顔に懐かしさを感じた、気がした。
《終》
【あとがき】
本当にお久しぶりです東雲です。
なんかね、もうね、すみません今〆切の時間オーバしてるんです本当にすみません部長。最後まで迷惑かける先輩ですみません。ごめんなさい。
直前までファンタジーっぽいものを書いていたんですが、到底間に合わないと気付いたので急遽これに変更しました……影喰の葵さんの過去話。私鬼好きすぎ。
泣いた赤鬼の青鬼のその後の想像として考えたとはいえ完全に別物なので創作でいいんでしょうかコレ。あああ今五十九分ごめんなさいいいい
私の言いたい事は部活動日誌やらサイトやらで大方書いてしまったので、あまりここには書きませんがこれだけ。頑張りすぎたら辛くなるからね、適度に力を抜きつつ軟張ってください!(誤字じゃないよ)
ぐだぐだですがあとがきはココで唐突に終わります。本当に三年間お世話になりました。