ロマンキコウ

負け犬クンの話

 翌日、僕は公園のベンチ上の雪を払い、緑の塗装が施された表面が、むき出しになったベンチに座った。それから、1時間くらい後に、公園の中を散歩していたニイジマさんが、ベンチに座っている僕を見つけた。ニイジマさんは、秋の時と同じように、ベンチの空きスペースにちょこんと座った。そこに積もっていた雪は、僕があらかじめどけておいていた。
「どうしたの?不機嫌な顔してるよ?」
「え・・・、いや、なんでもないよ。」
「ほんと?」
「う、うん。ほんと。」
「ふーん。」
 どうやら、気に掛けてくれているらしい。僕はちょっとだけほっとした。
「ところで、どうだった?『奇跡』は。」
「うん、まあまあよかったん・・・じゃない・・・・・かな。」
「私の『奇跡』は石から蛾が出る事だったんだ。とっても良かったと思う。私、蛾の標本専用の部屋を家に造っちゃったくらい蛾が大好きなんだ!。えへへ。」
 ニイジマさんが目を輝かし、尾を振った。
「飾りすぎず、それでいて雄大さを醸し出しているあのフォルムと土色。悠々と空間を飛び回るあの姿。そしてなにより、 綺麗に整えられたあの羽!どれをとっても最高だったよ。」
「・・・・・・。」
「あ、ごめん。なんか熱く語っちゃって。」ニイジマさんはくすっと笑いながら言った。
「マサキ君の『奇跡』はなんだったの?」
「石から蛾が出たよ。土色のやつ。」
「本当?すごい偶然だね!」
「うん。」
 そのとき僕は、ある質問をすることに決めた。
「ねえ、ニイジマさん。」
「?」

「僕ってやっぱ、『負け犬クン』なのかな?」

あとがき
 こんにちは!ロマンキコウです!前回予告したとおりに小説を載せましたが・・・・・、なんかガッカリクオリティになっちゃった予感!一応キャラクターの個性は重視したはずなんですが、一貫できたかどーか、僕は大変不安です。いや、マジで!テーマも一貫できたかどーかも不安です!そんな作品を最後まで見てくれた、読者の皆様!ありがとうございます!  さて、今回の作品なんですが、自分の脳内で膨らんだ「ヘン」な世界を、そのまま小説にしたという感じで書きました。僕が伝えたいメッセージ等も盛り込んでおいたのですが、どのあたりがそれなのかは、皆さんの判断にお任せします。勝手に解釈しちゃってOKです。逆にそうしてくれると、僕はうれしいです。ただ、実は自分で書いておきながら、どのようなものか分かっていない固有名詞があります。

「トライバル・コミューン」て何?

どんなものだか、全く考えた事がありません。というかこれ、適当に名づけただけのものなんです。ぶっちゃけ名前とかどーでもいい!暇な人はそれがなんなのか、どのようなものなのか,考えてみてください。
 それでは、また次回、さらにパワーアップした(?)ロマンキコウをお見せしたいと思います(できれば)。これからもお願いします!

http://bungeiclub.nomaki.jp/
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