こんな簡単に1年間越しの片思いをひっくり返されてたまるか。
そう思っても、高まる鼓動はやまない。
俺だけに向けた笑顔が愛しくて、伸ばされる手が嬉しくて
嗚呼、真っ逆さまに堕ちてしまう
抱きしめられてそう思った。
さようなら片思い、今日和新しい恋。
想いなんて脆いものだと頭の隅で思った矢先・・・
「アンタとならいい友達になれそ。男同士仲良くしてね。」
(おや・・・?)
男同士
鈍器で頭が叩かれたような衝撃を受けた。
水無月は男だった。
同じ男の子だった・・・
絢ちゃん、やっぱり俺には君だけだ
「あはははは。」
水無月が声を出して大笑いした。
「笑うな、慰めてくれ・・・。」
「だって・・・男だって知らずにマジになるなんて、くくく。」
「マジじゃねぇよ!!」
すっかり打ち解けた水無月は、今見ても可愛いと思う。
だけど・・・男だったとは。
まじめに危ない世界へ行きかけた。
「ほんと、笑い事じゃない。」
美貌に誘惑され、翻弄された。
天使の微笑を浮かべる悪魔、悪戯な天使。
まあ今回の事でやっぱり絢が一番だと気づかせてくれたわけだし、恋のキューピトとでも思ってあげよう。
揺らぎ移ろぐ恋心
それは春のせいだということにしておいた
春、恋の季節です