正松

短編物語詩集『オト』

「宝の山の村で」

嫌になる位よく晴れた日に、僕は瓦礫の山の合い間を
何かを探すように歩いていた。

結局僕が、あの時の祖父の涙の理由を知ることはなかった。
こっそりと忍び込んだ祖父の部屋にも、手掛かりとなるようなものは無く
少なくとも今の時点では、聴き出す事はできないだろう。
確証な無いけれども、そんな気がしていたのである。
ただ、あの時の涙は間違いなく
祖父だけが流す事のできる類の涙であった。
奇妙で、自分でも意味の解らない喩えであるが
それ以外の喩えが思い浮かばなかった。

僕は今、祖父が保管していたものと同じ種類の
薄い円盤を探している。
箱が出すことのできる音を
全て聞いてみたいと思ったのだ。
いつもと変わらない日々に微々な
本当に微々な
それでいて確かな変化が訪れたのであった
僕が求めていたものは、もしかすると
この変化だったのかもしれない。









瓦礫だらけの村で
今日も黒い箱は
歌い続けている。








「後書」

こんにちは!
初めての人には初めまして!
正松と申す者です!

今回は散文(っぽいもの)詩混じりでお送りしました。
まあ、こんな風に
文芸部では自由に文学を書くことができるっていうのが伝われば幸いです。
文学作品を書くことが好き!
自分だけの作品を書いてみたい!
そのような方にお勧めの部活です!
文の巧拙は関係ありません!
文学好きな方は
是非とも文芸部に入部してみてください!
よろしくお願いします!

それでは、また次号で!

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