『反響しない「無題」』
輝かしいような 照れくさいような
それでも確かに存在した
手を伸ばした先にあったはずの
未来はどこに霧散した?
もがけば消えてしまうような
淡い光、ではなかった
ただ煌々燦々と そこに君臨していた
羨むような生まれたての若さをもって
それなのに
今ではどこにも見当たらない
真っ白いどこまでも反響しない砂漠を
永久にさまよい続ける他なく
未来は 霧散したのではない
ただ、「今」になってしまっただけなのだと
その単純な事実に
気付く術は まだ 持たない