如月裕

ある詩集「Cross Word World」

『黄昏の空に』

ああ、もうすぐ彼がいなくなってしまう
私の手の届かない向こう側に
一緒にいられる時間なんて短かったと
想う暇さえ与えずに

彼はいつも明るかった 眩しかった
周りのすべてに優しくて
けれど時に厳しくて
私は彼の前では
目立たない、埋没する存在だったけれど
同じ空間にいられるだけで幸せだった

彼はゆったりと死んでいく
薔薇色にも似た赤をまき散らしながら
瞳を閉じる
濃紺の毛布をかぶせて 眠らせてと
灼熱色の瞳を潤ませて
今までの彼からは想像もできないほど
か細い声で呟いた

そうして、彼は行ってしまった
この満天の星空に たった一人 私を残して

アトガキ+++
お久しぶり、あるいははじめまして最近記憶能力の限界を感じまくっている如月裕です。夢と現実と昨日と今日の区別がつかなくなりつつある危険人物です(危険どうこうの前に脳神経外科に行け)
今回ははじめて詩をメインで載せてみました。本当はクリスマスにちなみ雇われサンタの話が書きたかったのですが、オチがつけられず断念。いつか気が向いたら載せます。来年にでも←
私の詩は詩というより物語に近いねと言われます。自分でも若干そう思います。脱出したいなあと思ってみますが、脱出できるのは稀で、今回の詩ときたらほとんどそっち方面のものになってしまいました。あ、いや、だからって手を抜いたわけではないです。全力投球です。全力投球が残念なだけで(オイ
それではまた次回お会いできることを祈りつつ。お付き合いいただきありがとうございました!如月裕でした!

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