『No mad / Nomad』
月明かりが支配する世界
夜、漆黒、その中に存在する猫
眠たげに目をこすりながら
先刻の夢の温みを落としていた
空に浮かぶ月は いつかの記憶
満ちてゆけば 過ぎ去りし日々と
陰り始めていった彼の人を想った
いっそ狂い出せてしまえたら
この孤独に耐えられたのかと
流浪の民がひとりつぶやいた
言葉の真意を知ることはない
例えば再び眠りにつけば
夢の続きを見られるのだろうか
消えていくまどろみの中で
求めていたものは何だったのか
辿り着いたのは いつかの後悔
欠けてゆけば いとおしき日々と
今はもう逢えない彼の人を想った
いっそ狂い出せてしまえたら
この孤独に耐えられたのかと
流浪の民がひとりつぶやいた
言葉の真意を知ることはない
閉じた瞳 消えぬ罪 すべては闇の中
優しい声
切なる涙 隠した嘘 すべては心の中
零れる蜜 還らぬ魂 すべては夢の中
すべては己の中