如月裕

ある詩集「Cross Word World」

『パラドクシカル・センチメンタル』

理想はどこに?
生きることを諦め
結果、たどり着いた
闇夜につぶされた部屋
ナイフのような言葉でも
僕を殺すには充分過ぎてた
憎しみの突きささる心と背中
そこには刃物のような冷たさと
覚えたくもない苦しさがあった。
現実とあいなった血ヘド塗れの異説
要らないね 要らないね 要らないね
僕はもうどこにも行けない 居られない
死なないで 死なないで 死なないで
真実をともなった苦しまぎれの逆説
そこにはひだまりのような温みと
忘れかけてた優しさがあった。
悲しみを溶かしてく声と微笑
僕を生かすには十分だった
カイロのような言葉でも
朝日に照らされた部屋
結果、飛び出してた
生きることを誓い
希望はここに。

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