魅闇美

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次の日は急遽クラス会となった。 女子はもとから今日するかもしれないと知っていたらしいが、男は全く知らなかった。 その割に出席率は結構高いらしい。 もちろん瑞樹と杏奈も出席する。 二人が恋人として手を繋いで現れたりなんかしても、杏奈に気持ちを伝えよう。 それこそ迷惑かも知れないが知ってほしかった。 自己満足じゃねぇかと自分の中で毒づくが、 ただの幼馴染に決着をつけなければならない。
「何難しい顔してんだ?」
後ろから声をかけられ、聞き覚えのある声に驚く。
「瑞樹?」
振り向くと瑞樹が片手をあげてひらひらと振った。
「おま…杏奈と一緒じゃねぇのか?」
「残念ながら」
笑いながら瑞樹は携帯を開く。
「来るのはやくないか?待ち合わせまで30分以上あるぜ?」
「なんとなく早くついちまったんだよ」
お互い様だけどと瑞樹は笑いながら言った。 突然ぷつりと笑いが止まり瑞樹は新呼吸する。
「俺さ…」
何事かと思った…、が。
「ん?」
「小銭ないから細かい金作りたいんだよな。自販ここら辺にない?」
「ゲーセンの中にたぶんあるだろ。さきに行ってくるか?」
「ああ」
着いていかなくてもいいような気はしたけれど、 さっき瑞樹の言いかけた言葉が気になって着いていった。

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