魅闇美

Like×Like

私服で印象が変わる奴は結構いるけど、女子はその割合が多い気がする。髪を 巻いたり化粧を軽くするだけで可愛さが増すのはある意味脅威だ。杏奈も可愛く なっていたら俺は照れずに話しかけられるのだろうか。 そんな悩みは杏奈が現れた瞬間消え去った。
「杏奈…?」
パンダルは見たことないがスニーカーは見たことがある。杏奈の足元はスニー カーだった。そして着る予定だったはずのマカロン色のワンピースはジーンズと 適当なTシャツとパーカに変わっていた。
「杏奈、パンダルとかどうしたんだ?」
杏奈に近づいて声をかける。杏奈は俺だと解ると俯いて顔も見てくれなかった。
「好きな奴に見せるとか言ってたじゃねぇか」
「…見せたわよ」
小さな声で返事が返ってくる。
「…似合わないって」
「は?んなことねぇだろ、可愛かったじゃねぇか」
「何よ今更!乱暴女はスカート履かないとか言うし、 変なもの見るような目で見るし…ショックだったんだから」
あれ…?と自分の耳を疑った。今の言葉は俺の言った言葉ではないだろうか?
「着ても意味がないじゃない。 優が可愛いと思ってくれなきゃ…優の為のワンピースだったんだからっ」
一番近くにいたはずなのになぜ気づかなかったのだろう。 否、一番傍にいたからこそ気づけなかったのだろうか。 一度離れてみるとどれだけ杏奈が大切か自覚させられた。
杏奈の手を握る。
「少ししたら戻ってくる」
そう周りの奴に告げて俺は走りだした、杏奈の手を引いて。
「ちょ、優?」
「今…全速力で走りたい気分なんだ」
耳の赤い俺に気づいてくれたのか杏奈は女の子らしくクスクスと笑った。
オムライスを食べていた時の俺に教えてあげたい
なんかすっきりしないもやもやした感情の正体
…それはlike×like

(あとがき)
2、3年生の皆さん今日和。 1年生の皆さん初めまして。 自己紹介はどっかに載るらしいので適当に話の中身とか振り返ってわーっと話します。 長かった呪い人形の連載が終わったのもつかの間、 すぐに春号の締め切りを告げられてわっちゃっちゃぁいでした。 まあ春休みがあるからどうにかなるだろうと思って計画もぼちぼち立てていたのですがボツにボツを重ね、 この作品は3作目です。 最初は友情ものとかギャグを執筆するつもりだったのに友情は虐めに変わりギャグは突っ込み不在になり …何マジックですかこのやろーだったわけです。 それで去年の春を思い出して今年も恋愛ものでいくか〜と言うことになりました。 春と言えば桜、桜と言えばピンク、ピンクと言えば恋の色ですから(←) 去年は「春色天使」という恋をしかけた相手は実は美人の男であったという勘違い物語だったわけですが、 今回は…なんとも恥ずかしい青春風味の恋愛もどきですね/// 時間があったら杏奈サイドでも書きたかったのですが時間なかったです。
文芸部は一瞬自分が帰宅部かと思うほど活動がなくて楽だよ〜。 私は夏休みに学校見学で先輩のギャグセンスに惚れてコロッと入部した訳ですが、 そんな感じで〈?)小説とか詩とか文が好きならおいでおいで。

http://bungeiclub.nomaki.jp/
design by {neut}