「車、どうすんだよ」
チャラが呟いた。あの五人の中で唯一運転できたブチが死んでしまった今となっては車を扱う事が出来る人間はいなくなってしまった。ここは山間で携帯も繋がらない。救助を要請する事も不可能だ。
「あのさ、私思ったんだけど・・・」
「どうした」
「ここって圏外よね・・・って事はさっきの人たちも圏外なのにどうやって呼んだのかしら・・・」
「そ、それは公衆電話でっ・・・」
「否、なかったと思います・・・」
一気に顔面蒼白になる一同。血の気が下がる音が聞こえそうなほど一気に変わった。
「・・・俺が運転する」
「先輩が?」
「出来るんですか?」
「解らないが・・・やってみよう」