南阜

そういうところが難しい。

―――――翌日…

「……と、…やと、騏!」
騏の母は、思い切り騏の頭を叩く。

「ったぁ!なんだよ!」
騏は半ギレ状態で起き上がる。

「なんだよじゃないわよ!舜亮くん来てるのよ!」
騏の母は、ちょっと困ったように言った。
「…は?」

騏は間抜けた声を出して言った。


「舜亮!」
騏は制服に着替え、舜亮の待っている玄関に向かった。

「悪いな、騏。こんな朝早くに…」
舜亮は申し訳なさそうに言った。

「どうかしたのか?」
騏は眠そうな目をこすりながら言った。
「実は昨日、友槻じゃなくて、優槻…っぽいやつ見たんだ」
舜亮は深刻そうな顔をした。

「…俺も、昨日…逢ったよ」
騏も昨日のことを打ち明けた。
「……本人かはわかんねぇけど、明らかに、友槻じゃぁなかった」
騏が言うと、舜亮は黙って頷いた。

「…そういや、たまに櫻坂、性格変わったりしてたよな?」
騏は前にあったことを思い出して言った。


「それも、優槻が友槻に入れ替わってたのだとしたら?」
舜亮は少し焦っている。

「…それは、まずいんじゃないか?」
騏は苦笑した。

「…とりあえず、今日は…」

舜亮と騏は一日、櫻坂 ゆうきの様子を見てみることにした。

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