「お前なんか…っ」
舜亮はうつむいて何かを言った。
「あ?」
「
舜亮は叫ぶように言った。
「…は?お前は、弱気な、友槻のほうが良いって言うのか?
優槻は卑しい笑みを浮かべた。
そんな優槻の顔を見た、騏は重い口を開いた。
「それは違うよ、
騏は首を横に振った。
「な、?」
ゆうきは目を見開いた。
「おまえは強い自分が居て欲しくて、優槻という架空の人を造りだし、自分がそれになりきってみせた…それだけだろう?友槻」
「ち、違う!俺は櫻坂 優槻だ!」
ゆうきは必死に否定をする。
「違わねぇよ!」
騏はゆうきの反論を振り払うくらいの大きな声で言った。
「おまえは…ただ、寂しかった…そうだろう?」
騏は切ない顔になりながら言った。
「違う!俺はっ……櫻坂…っゆう、き…」
ゆうきは目から涙を溢れさせる。
「…ほら、おまえ、友槻…だろう? 俺、見たんだ…舜亮が『消えちまえ』って言ったとき、一瞬悲しそうで寂しそうな顔、した」
騏は少しずつ、ゆうきの傍による。
「…ぼ、僕は…ただ…寂しくって…」
友槻はぼろぼろと涙を流す。
「ごめんな、俺は最初から、友達のつもりだったんだが」
騏は友槻の肩に手を置く。
「…え?」
友槻は少し驚いた顔をした。
「櫻坂は…いや。友槻は…俺の大切な友達だ」
騏は優しく笑って言った。
少し照れながらも言っている、騏をみた友槻は、騏に抱き付いた。
「…ごめんなさい…!」
「…いいんだよ」
騏は優しく頭を撫でた。