真崎珠亜

進め!セイトカインジャー!!

「……………………………は」
 数秒間の静寂の後、何とか口を開いたのはやはり二年生のコタロー君だった。他の三人は呆れてものも言えない様子。コタロー君は淡い色の茶髪で、瞳の色も茶色いから良く先生に怒られる可哀想な生徒なんだぞ。どっちも生まれつきだから黒くした方が校則違反なのにね☆
「……最初から気になってたんですけど、この↑妙にテンションの高い文は何なんですか。…っつか誰なんだアンタ一体」
 いやーん♪ ツッコまれちゃったw
「いやーんじゃなくて。何で部外者勝手に連れ込んでるんですか!」
「連れ込んでるなんて言い方止めてよー。俺硝子のハートの持ち主だから傷ついちゃうでしょ」
  「……僕は今までの人生であなたほど神経図太い人は初めてですけどね…」
「コタローちゃん青筋浮かんでるー」
「誰の所為ですか、誰の!」
「いや〜ん怒んないでよぉ」
「……で、誰なんだその女子生徒は…」
「え? 新体操部のあさくらみなみさん。特別にご出演頂いた。因みに三年生」
「ちょっ!? アンタ版権とか考えろよ! いくら一高校の部誌っつったってそこは駄目だろ!?」
「コタローちゃんは細かいなぁ…。でも全然大丈夫、ノープロブレム。心配ナッシング」
 心配ないんだぞ★
「……何でですか?」
「だって、麻蔵実なみさんだもん」
「紛らわしいことすんなアホ!!」
いやーん★ なみ怒られちゃったぁ〜(泣
「つかアンタ邪魔だから帰れ!!」
コタローちゃん酷いんだぞっ☆
「酷いんだぞっ☆」
「……うぜぇ…」
コッちゃん酷い! なみ泣いちゃうぞ?
「……先輩、助けて下さい。つかコッちゃん言うな」
「麻蔵実、お帰り願う」
はぁ〜い☆ タッちゃんがそう言うんなら、なみ帰るね♪
「早っ!?」
「え〜、なみさん帰んの〜?」
ごめんねトモ君。タッちゃんには逆らいたくないんだ♥
「分かった。んじゃ、ありがとねなみさん」
うん、バイバ〜イ★
「……何だったんですか、今の」
「だから新体操部の麻蔵実さん」
「……そもそも我が校に新体操部は無いはずだが?」
「あ。そだった」
「じゃああの人何部!? 新体操の格好してたけど」
「そもそも三年生に麻蔵実なみなんて生徒は居たか?」
「……そー言われれば、居なかったかも。俺一通り名簿覚えてるし」
「……あの人、どっから連れてきたんですか」
「え? 何か珍しい格好して廊下うろついてたから話しかけて、意気投合したから生徒会室連れてきた」
「そんな怪しい人連れ込むなよ!!」
 
 正体不明の新体操少女、麻蔵実なみ。その正体を知る者は誰もいない…。もしかしたらあなたの学校にもフラッと現れるかも…。



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